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仏像
『国宝 阿修羅展』
- 2009-04-29 (水)
- ラングランドカルチャー
さて、今、もっとも集客力のある展覧会と言えば、上野の東京国立博物館(東博)で開催中の『国宝 阿修羅展』ではないでしょうか。
これを読んでいる皆さんの中にも、既に行かれた方、多いのでは。
日本人ならば、誰もがどこかで見たことがある、
“あの”阿修羅像です。
余談ですが、現在高校で使われている日本史の教科書11冊中、
8冊には、この興福寺の阿修羅像が載っているそうですよ。
数多くの焼失と再建を繰り返してきた興福寺にあって、今回の目玉である阿修羅をはじめとする八部衆、
そして十大弟子たちが今日我々の目の前に姿を見せてくれているのは、
「脱活乾漆造」により軽く持ち運びに優れていたから。
約1,300年前の仏像群が、現代にまで保存されている、と言いますか、
生きながらえていらっしゃることは奇跡とよんでもいいのではないでしょうか。
そして何より特筆すべきは、昨年の『薬師寺展』に続き、やはり展示法が素晴らしい!
通常、興福寺の国宝館にいらっしゃる阿修羅ですが、
普段はガラスケースの中で、前からしか拝見できません。
それが、東博においては360度どの角度からでも観覧でき、障害となるようなものは一切ありません。
・・・しいて障害物を挙げるとすれば、人間でしょうか(笑)、あの人ごみには覚悟が必要です。。
そして、何よりライティング(lighting)の妙が文字通り光っています。
それはまるで、阿修羅像が現代に甦ったかのような、
それは不死鳥のごとく再生を繰り返してきた興福寺とも重なりますし、
本当に生命が宿ったのではないかと疑うほどの強い強い印象を受けました。
私個人の中では、やはり仏像はお寺で・・・という考えもあり複雑な心境もあるのですが、
少なくとも東博においては、また違う表情を私達に見せてくれるので、既に2度会場に足を運びましたし、
おそらくはあと1~2回は残り1ヶ月ちょっとの期間中、お会いしに行く予定です。
三つの顔、六本の腕という異形でありながらも、どうしてどうしてそれが違和感がないのです。
誰しもが最初に注目するであろう正面の顔は、憂いとそして厳しさを含んでいます。
私達に何を伝えようとしていらっしゃるのか、人それぞれの解釈があろうと思いますし、
お会いになるその時々の気持ちにもよって違ってくるのかもしれません。
あの表現力豊かなまなざしをよく見ると、涙が浮かんでいるようにも見えます。
ますます我々は想像力を膨らませるわけです。
是非、この機に天平という遠い時代の精神性をこの阿修羅像から感じ取ってみて下さい。
東京国立博物館 3/31~6/7まで
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