TOEICスコアは、就職や昇格で活用されているほか、大学での単位認定、入試の優遇、英語試験免除等、英語力を判定する試験として活用されています。
従来から実施されてきた、厳しい監視のもとで実施される公開テスト、IPテストのほか、自宅でも受験可能なオンラインテストも実施されるようになりました。しかし、オンラインテストによるスコアの社会的信用度も、同じなのでしょうか。
コロナ禍に公開テストの中止が続き、定員制・抽選制がとられ、TOEICを受験できない人が続出したのは記憶に新しいと思います。
そんな時期に「スコアが必要なのにテストを受けられない」という人を救済すべく、自宅から受験できるオンラインテストが本格的に普及したのです。
TOEIC公式テストを実施しているETS(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)の調査によれば、2022年度 大学院入学試験における活用状況は、調査を行った92校中77校で活用され高い割合を示し、TOEICスコアの社会的信用を証明する結果となりました。
しかし、調査結果のうちIPテストを採用していても、オンラインを対象外としている学校・学部も少なくありません。オンライン形式の受験環境・監視体制の統一が図れていないことが大きく影響しているものと考えます。
AI解析により、受験者の入れ替わり(替え玉受験)や複数人の映り込み、目線の動き(カンニング)を割り出します。
「本人の顔と本人確認書類」「受験の様子や音声」を録画・記録し、
「不正と疑わしきあらゆる行為」をAIが検知します。
セキュリティに違いがあるため、「TOIECスコア」と一言でいっても、同じものとして扱えない状況だと言えます。
まず、ペーパー形式(公開テスト・IPテスト)なのか、オンライン形式なのかでテストの強度と監視が異なり、信頼性が変わります。オンライン形式の場合、ペーパー形式(マークシート)のテストと異なり、受験者が決められた場所・監視のもとで一斉にテストを受けているわけではありません。
オンライン形式を維持していく以上、AI監視サービス導入が必須と思われ、セキュリティが担保されていることが、スコアを使用する受験者にとっても、スコアで英語力を判断する採用担当者にとっても、重要だと言えます。
そもそも、自分の英語力以上のスコアを取得しても、その先の学業・仕事に影響するため、何の意味もなさないでしょう。一生懸命に取り組んでいる学習者が圧倒的多数なので、スコアで評価を行う採用担当、入試担当の方には、受験方法やそのセキュリティにも関心を示していただきたいと願います。
TOEICスコアは、就職や進学など重要な場面で使用され、その人の人生を大きく左右すると言っても過言ではないのです。