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WaiWaiブログ
映画『シリアの花嫁』
2009/03/13
ミニシアター系映画の好きなスタッフS.Sです。
久々の映画紹介となりますが、今回はとりわけ大きな声で推薦したい『シリアの花嫁』です。
はっきり言ってしまうと、2,000円でも3,000円でも払ってでも観る価値はある作品だと思います。
この映画に飛び交う言語も、アラビア語、ヘブライ語を始め、英語、ロシア語、フランス語が登場するので、
語学好きの方にはそういう観点からでも興味深い作品と言えるでしょう(とは言え、メインはアラビア語)。
イスラエル占領下のゴラン高原に住む一人の女性の結婚式の一日を描いた感動作。
幸せいっぱいであるはずの結婚式にも関わらず、表情が冴えない花嫁。
なぜならば、彼女にとって、一度“境界線”を越えてシリア側へ行くと、
二度と家族のもとには戻ってこれないのです。
結婚には、人それぞれ、それに至るまでにいろんなドラマがあると思うんですが、
“国境”を日頃意識する必要のない日本に住んでいる私には想像を絶する物語が展開されます。
家族愛、そして固い決意とともに未来へと大きな大きな一歩を踏み出す姉妹の姿には涙すること必至。
イスラエル人監督とパレスチナ人の脚本家が組んでの作品ですから、それだけでも素晴らしいこと。
政治的問題を扱っているにも関わらず、ユーモア交え、見事に希望を描いています。
間違いなく、個人的に(まだ3月ですけど)今年のベスト3には入るのではという逸品。
どうしてどうして、2004年作品がようやく・・・という感じですが、出会えて良かった名作になるはずです。
ちなみに第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『おくりびと』が話題になりましたが、
2008年モントリオール映画祭の最優秀賞も受賞しているのをご存じですか?
そして、この『シリアの花嫁』は、2004年同映画祭のグランプリ作品という共通点があるんです。
と聞けば、興味が沸いてきたでしょうか・・・(笑)?今、個人的には最もお薦めの映画です!
神保町の岩波ホールにて公開中
以下、ストーリーの補足。
物語の舞台はゴラン高原。
1967年6月に勃発した第三次中東戦争でイスラエルによって占領されたシリア領。その後、イスラエル政府が1981年にゴラン高原をイスラエル領として併合。
したがって、ここに住む住民は、イスラエル国籍を取得できることに。がしかし、元来シリア人意識が高い為、彼らは積極的には国籍を取得しない。問題は、イスラエルがシリアを国家として認めていないため、結果として彼らは「無国籍者」に。親戚同士であっても、数百メートル離れたところから拡声器で会話をせざるを得ない現実。国境の間には、ノーマンズランド(非武装中立地帯)があり、その間を、映画では国際赤十字の職員が歩いて行き来し、イスラエルサイド、シリアサイドの思惑に翻弄されるシーンも。
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