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TOEICのPart7の鍵は速読 - リーティング対策におすすめの訓練方法

TOEICの試験問題の中でも、リーディングパートを苦手としている人は多いのではないでしょうか。その中でもPart7は文章量が多いため、内容を理解するのに手間取って「もう少し時間があれば‥」と後悔することもしばしばです。

特に、2016年5月から導入された出題形式の変更によって、リーディングパートで長文問題が増えてから、英語の速読への関心がますます高まっています。そのニーズに応えるために、TOEICのリーディングパートの特徴のほか、英文の速読のコツやトレーニング方法について紹介していきます。

書き方の注意点・正しい記入欄

TOEICのリーディングパートのテスト問題は、印刷された英文を読んで問いに答える形式で、75分間で100問に答えなければなりません。問題は次の3つのパートに分かれています。

  • Part5:短文の穴埋め問題(30問)
  • Part6:長文の穴埋め問題(16問)
  • Part7:1つの文書を読んで解答する問題と複数の文章を読んで解答する問題(54問)

見ての通り、問題の割合はPart5が30%、Part6は16%なのに対して、Part7は全体の54%を占めています。このことからも、リーディングパートにおけるPart7の重要性が分かるのではないでしょうか。

Part7の特徴とは?

Part7で出題される問題は、主にEメールやウェブサイトの記事、広告、チャットのような長文を読んで、2~5つの設問に答えるという形式で、リーディングパートの中でも難易度が高いことでも知られています。特に、限られた時間内に長文や設問を理解する必要があることから、英語の文法力や語彙力、精読力はもちろんのこと、その文章量の多さから速読力が求められているのです。

速読力とは、文章を早く読むための能力のことで、一般的に速読力を向上するためには、文章を読む速度のアップと視野の拡大が重要だといわれています。

Part7で使える英語を速読する5つのコツ

英文を読む際の速読は、単に読むスピードが速いというだけでなく、読みながら内容を理解するために次のようなテクニックを身につけることが大切です。

1.頭の中で音読をしない

頭の中で文章を音読することを「サブボーカリゼーション」といって、それにより英語を読む速度がかなり落ちることから、TOEICのリーディングパートには不向きだといわれています。Part7を解く上では、単語の発音ができるかどうかは重要ではなく、あくまでも目で見てとっさに意味が出てくることが大切なのです。

例えば私達日本人は、日本語の「午後は降水確率が60%なので、傘を持って出かけると安心です」という文章を読む際、いちいち頭の中で文章を音読しませんよね。せいぜい文章全体をサラッと読んで、「午後は傘を持ってでかける」という要点を拾い上げる程度のはず。

それと同じように、英文を読む際、はじめから終わりまで音読していると時間がかかってしまうので、単語を一語一語読み込んでいくのではなく、目で見てそこに何が書かれているのか理解するための訓練をする必要があります。

2.周辺視で英単語を読み込む

「テレビを見る」「飛んできたボールを目で追う」等のように、物を意識的に見ることを「中心視」というのに対し、風景や周囲の人混みのように視野全体を見ることを「周辺視」といいますが、英語を読む際は周辺視で見ることが大切です。

中心視によって英語の文章を読んでいると、一語ずつしか目に入らないので、文章全体を読むのに時間がかかるだけでなく、疲れやすいという特徴があります。反対に、飛んでいる虫を探す時のように、一点に視野を合わせずに周辺視で文章を読むと、視野が広いので一度に入ってくる情報量が多く、その分だけ早く文章を把握することができるのです。

ただし、周辺視は中心視に比べて、見ることができてもはっきりと認識することが難しいという特徴があるため、普段から周辺視によって英文を読むことを心がけて、周辺視で明確に理解する訓練をしておくといいでしょう。

英語

3.訳さずに英語のまま理解する

英語を学び始めた頃、「This is a pen.」という文章について「これ/です/1本の/ペン」というように、一語ずつ日本語に置き替えてから、「これはペンです」と全体を訳していたという経験はありませんか?しかし、このやり方でTOEICのPart7を解いていたら、試験時間が足りなくなるのは必至です。

そのため、英語の文章は基本的に日本語には訳さずに、英語のままで内容を理解する習慣に切り替えることが大切です。長文の意味を英語のまま理解するためには、単語や英文法だけでなく、英語でよく使うフレーズや構文の意味をきっちり暗記しておくと、いちいち日本語に訳する必要がなくなります。

また、文章の流れから意味を読み取ることも大切です。例えば、coolのように異なる意味を持つ単語が出てきた場合、文脈から「寒い」のか、それとも「カッコいい」のかをいち早く理解する必要があります。

4.返り読みをせずに前から読み進める

「返り読み」とは、英語を後ろから前に向かって訳していく、主に複文のような複雑な文章の訳に用いられる方法です。例えば、次のような文を訳する場合、返り読みの習慣がついているとuntil以降を先に訳していくため、文章全体の意味を把握するのに時間がかかってしまって、タイムロスにつながります。

Terry told me that he never knew what love was until he met me. 「テリーは私に会うまで、愛とは何か知らなかったと言った」

返り読みを避けるには、基本的に文頭から読み進めていく必要があるほか、読み終わった部分に鉛筆やシャープペンで下線を引くことで、読み終わった行を視覚的に把握することができます。

5.スラッシュリーディングを心がける

「スラッシュリーディング」とは、文章の途中にスラッシュ(/)で区切りを入れることで、英文の意味を分かりやすくする方法です。長文でも意味がスラスラ理解できるようになるほか、意味の区切りを意識しながら文章を読む習慣がつくという効果があります。

スラッシュを入れるのは、主に次のような位置です。

  • 前置詞の前
  • 接続詞の前
  • 不定詞や動名詞の前
  • 疑問詞節やthat節の前
  • 関係代名詞や関係副詞の前
  • カンマ(,)の後

次の例文でスラッシュリーディングを行うと、次のようになります。

Terry told me /that he never knew /what love was /until he met me.
「テリーは私に言った/彼は知らなかった/愛とは何か/私に会うまで」

また、区分けすることで、文章を読むリズムが生まれやすくなり、返り読みを防ぐことができるため、リーディングのスピードがアップします。

速読をマスターするためのトレーニング方法とは?

ここまで速読のコツについて紹介してきましたが、それでは具体的に速読のやり方を身につけるにはどうしたらいいのでしょう?ここで紹介する読むスピードをアップする5つの方法を参考にすることで、速読の訓練につながります。

スマホのリーティングアプリで速読力を鍛える

最近は、リーディング用のスマホアプリが増えていることから、インストールして利用してみてはいかがでしょう?アプリは大きく分けて、さまざまな種類の文章を多読することで読解力をアップするタイプと、1分あたりに読んだ単語の数WPM(Words Per Minutes)を計ることができるタイプの2つがあります。

一般的に、TOEICにPart7を解くためには150~200wpmは必要だと言われていることから、普段からゲーム感覚でアプリに挑戦して、英語の速読に慣れることによってwpmを徐々に上げていくことができるはず。通勤や通学、昼休みなどの隙間時間を見つけて、いろいろなアプリを試してみることをおすすめします。

精読力を身につける

速読力をアップするためには、基礎となる精読力を身につける必要もあります。文章を速く読む速読力と、文章をじっくり読み込む精読力は、一見すると相反するスキルのように思われがちですが、実は、精読力なくして速読力をアップすることはできません。

精読力を上げるためには語彙を増やすことも大切ですが、品詞分解をしっかり行うほか、文章の構造を理解しておくことで、英語の文章の精読力が上がり、おのずと速読力も上がってくるのです。そのため、最初からスピードばかり追い求めるのではなく、まずは精読することを意識しつつ速く読む癖をつけましょう。

どこに何が書かれているのか把握しながら文章を読む

英語の文章を読んで、どんなことが書かれているのか理解することも大切ですが、TOEICのPart7対策のために速読を訓練するなら、「文章を読んで設問に答える」という、より本番に近い状況で文章を読む習慣をつけることも大切です。

Part7の解き方は人によって、文章をある程度読んでから設問を読むパターンと設問を先読みしてから文章を読むパターンの2つに分かれますが、前者の場合、最初に読み込んだ文章の内容をしっかりと憶えておかないと、設問を読んだ後で二度読みしなければならないという事態に陥ってしまうのです。

そのようなタイムロスを避けるためには、一度読んだ文章について、少なくともどのようなことが書かれているのか、内容を理解できるような読解力を身につけておくことが大切です。

速読は一日にしてならず!

ここまで、速読のコツやトレーニング方法を紹介してきましたが、英語の文章を早く読むためには、読解力や精読力などの基礎となるスキルを身につけた上で、段階を踏みながら、スピードアップを目指すことが大切だということが分かりましたね。

このように、これさえやれば速読力がアップするという簡単な方法はないことから、日頃から英語の文章に慣れ親しんで、品詞や構文についての知識をしっかり身につけ、200wpmという具体的な目標に向かって徐々に速読力をアップしていく必要があるでしょう。

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