Spanish Columnスペイン語コラム

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伝わるスペイン語を話している女性

日本人にとってスペイン語は、英語やフランス語と比べると、とても発音しやすい言語だといえますが、そんなスペイン語の中にも、実は難解だと感じられる発音や読み方がいくつかあります。
ここでは、日本人が言いにくい発音から特殊な発音のものまで、スペイン語を発音するうえで、知っておくべき基礎知識をご紹介します。

使い分けに注意が必要な発音

どの外国語にも、似ているけれど微妙に異なる発音があります。このような場合、発音だけでなく聞き取りが難しいと感じてしまうことも多いはず。しっかりと、聞き分けるためには、2つの発音の違いを知ることが大切です。

「l」と「r」の発音

スペイン語の[L]の発音をするときの舌の使い方を説明した図

英語と同様に、「l」と「r」の発音は日本人にとって最も頭が痛い問題だといえます。特にスペイン語の場合、英語よりもさらに違いが分かりにくいことから、発音の際には注意が必要です。

まずは、「l(ele:エレ)」の発音です。lは、『側面接近音』と呼ばれる音で、図のように舌の先を上顎の歯茎に当てて、舌の両脇にできた隙間から息を吐きながら発音します。

それに対して「r(erre:エレ)」は、『はじき音』と呼ばれる音で、図にあるように舌の先で上顎の歯茎を、ピンとはじくように発音します。そのため、長く伸ばすことができるlの音とは違い、rは歯茎を一瞬にしか音を出すことができせん。

スペイン語の[R]の発音し始めの時の舌の使い方を説明した図

スペイン語の[R]の発音し終わりの時の舌の使い方を説明した図

「celo(熱意)」と「cero(ゼロ)」、「pelo(髪)」と「pero(しかし)」、「abril(4月)」と「abrir(開ける)」のように、一文字違うだけで全く違った意味になってしまうことから、2つの発音の違いをしっかりマスターしておきましょう。

「b」と「v」の発音

逆に全く発音を使い分ける必要のないのが、「b(ベー)」と「v(ウベ)」の発音です。文字に関係なく、どちらの場合も直前の音によって、『閉鎖音』か『摩擦音』なのかが決まります。

唇を閉じた状態から、一気に吐き出すように発音する閉鎖音に対して、摩擦音は唇を狭めた状態で息を吐き出し上唇と下唇を摩擦させて音を出します。スペイン語のバ行は、文頭やm, n の直後は閉鎖音、それ以外は摩擦音と覚えておくとよいでしょう。

スペイン語の初心者が知っておくべき7つのルール

スペイン語の発音や読み方で、日本人が注意すべきポイントを7つピックアップしてみました。どれも、日本語にはないルールばかりなので、スペイン語の基礎知識としてしっかり覚えておくとよいでしょう。

1.「h」は発音しない

挨拶の「¡Hola!(オラ)」や「Chihuahua(チワワ)」のように、スペイン語では「h(アチェ)」は無音なので声に出す必要がありません。何百年も前にhを発音していた名残として、文字だけが残されているのです。そのため、hを見つけたら、とりあえず無視しちゃいましょう。

2.「j」と「g」はハ行で発音する

hを発音しない代わりに、スペイン語では「j(ホタ)」と「g(へー)」がハ行の発音となります。日本を「Japón(ハポン)」と呼ぶのはそのためです。またgがiとeの前にある場合も、ハ行で発音されます。そのため、“巨人”を英語ではgiant(ジャイアント)と発音するのに対し、スペイン語ではgigante(ヒガンテ)と発音します。

スペイン語のハ行の発音は、魚の小骨がのどに引っかかった時に、のどの奥で「カッ」とするみたいに、息を震わせるようにすると、上手に発音することができます。

3.「r」が2つ重なると巻き舌になる

単体では『はじき音』で発音される「r(erre:エレ)」は、2つ並ぶと『ふるえ音』と呼ばれる発音に変化します。ふるえ音とは、舌先を上の前歯の裏側で震わせるいわゆる「巻き舌」といわれる音で、日本語では広く使われていないことから、苦手な人は意外と多いようです。

スペイン語を学ぶ人にとって、巻き舌ができないことは死活問題です。rrの発音を克服するためには、「札幌」や「油揚げ」と連呼したり、「トゥルルルル・・・」と繰り返すなど、さまざまな克服法があることから、自分に合った方法を見つけてしっかりマスターしましょう。

4.「l」が2つ重なるとリャ・ジャ・ヤ行の発音になる

ラ行を表す「l(ele:エレ)」は、2つ並ぶと発音が複雑に変化します。舌の前面を口蓋の前方に付けて発音するllは、本来は「リャ」に近い発音でしたが、スペイン語圏では「ジャ」「ヤ」と厳密に区別されることなく発音されます。日本でpaellaを「パエーリャ」と呼んだり、「パエージャ」と呼んだりするのも、そのためです。

ところが、発音を明確に使い分けている地域もあるようです。スペイン国内では、「ジャ」「ヤ」が一般的になりつつあるのに対して、ペルーやボリビア、パラグアイなどの一部の地域では、「リャ」の発音が今でも根強く残っています。

5.「y」は“ジャ”か“ヤ”の発音になる

llの発音と同様に、口蓋摩擦音と呼ばれるyの発音も「ヤ」の他に「ジャ」とも発音します。ただし、語末で使われることがないllに対し、yが語末で使われる場合は、英語のenjoyやtoyと同じように必ず「イ」と発音します。例えば、スペイン語で「それは私です」というときには、Soy yo.(ソイ ジョ)と発音します。

また、yとllが同じ発音になることから、スペイン語には、vaya(動詞irの接続法現在)とvalla(垣根)のように、異なる綴りで、「バーヤ」「バージャ」と同じ読み方になる単語が存在します。

6.ナ行「n」とは別にニャ行「ñ」の発音がある

スペイン語のアルファベットの一覧表を見ると、英語のアルファベットでは決して見かけることがない、帽子をかぶったような不思議な文字があります。それがNの上の部分に「ティルダ(~)」というマークが付いた「ñ(エニェ)」です。「n(エネ)」がナ行の発音に使われるのに対して、ñはニャ・ニュ・ニョと発音します。

España(エスパーニャ)やel Niño(エルニーニュ)などの他の言語にはない、いかにもスペイン語的な発音は、どれもñが関わっているといえます。

7.「z」と「ci」は英語のthのように発音する

スペイン語では、サ行には「s」「z」「ci」「ce」が使われますが、その中でも「昼寝」という意味のsiesta(シエスタ)で使われる“s”は、日本語のサ行に近い発音をするのに対し、z・ci・ceは、英語の「thank」「thing」で使われる“θ”の発音のように、前歯で舌先を軽く挟んで発音します。

「靴」のzapatos(サパトス)や「幼年期」のniñez(ニニェース)のようなzの発音は、特に日本人にとって馴染みが薄いため、ザ行にならないように注意が必要です。

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スペイン語挑戦への5か条

  1. 一日2時間スペイン語学習 どんなに忙しくても最低1時間
  2. 習ったことのまとめをこのコラムでする。
  3. 人知れずする
  4. 泣き言いわない
  5. 仕事を言い訳にしない

大学卒業後、バブル時代をリクルートコスモス社にて勤務。
アメリカMBA留学中に、学費を稼ぐために自身の大学にて日本語講師を3年間勤める。
時を同じくイリノイ州日本人学校補習校で中学生担任を勤める。
帰国後米国大手システムコンサルタント会社勤務、GMジャパンカスタマーサポートチームマネージャー職を歴任。
1997年外国語会話ラングランドを創業
現在株式会社ローランドコーポレーション代表取締役
妻一男二女の5人家族

趣味 ランニング、ゴルフ、水泳、空手など

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